論点
学校のスマホ禁止:研究が実際に示していること
学校でのスマホ禁止は、成績やスクリーンタイムを本当に変えるのか。フランスのルールと各国の研究が実際に示していることを、保護者の役割まで含めてその要点を整理します。
2026年8月31日 公開 2026年9月1日 更新 読了 1 分
執筆:Nicolas Carrion pourquoi.app 開発者
フランスでは、2026年度から、幼稚園から高校まで、学校でのスマホ使用が禁止されています。最初の法律から8年。ようやく、実際に何が起きているかが見え始めています。
ルールは授業中は効きます。外に出ると、習慣はあまり変わりません。そして、大人にも関わります。
まとめ:禁止は、学校でのスマホ使用を減らします。それだけで成績は上がらず、1日全体のスクリーンタイムもあまり下がりません。場所は守れます。無意識の動作は変わりません。
何が変わったか
2018年、フランスは小学校とコレージュ(中学校に相当)でのスマホ使用を禁止しました。例外がなければ、休み時間も含め、電源を切ってかばんに入れておけます。
「Portable en pause」はさらに進みます。しまうだけではなく、その日は手元から離します。ロッカー、共用の箱、ポーチ。2024-2025年に、コレージュの生徒3万2000人以上が試しました。省によれば、学校の雰囲気はよくなり、集中もよくなり、SNSに関する報告は減りました。この仕組みは、2025年度の初めにすべてのコレージュへ広げられました。
2026年、使用禁止はリセ(高校)にも広がりました。詳細、例外、処分は各校の内規で決まります。すべての端末を回収する、という意味ではありません。
フランスだけではありません。2026年3月、ユネスコは、国としての禁止または制限がある教育制度を114と数えました。国の58%で、2023年は24%でした。ルールの広がりは、証拠より速いです。

授業中のスマホは減る。成績が上がるとは限らない
いまいちばん規模の大きい研究は米国です(2026年4月)。約4600校が、日中、端末をロックできるポーチに入れています。
ひとつははっきりしています。生徒は学校であまり使わなくなります。
残りは、それほどではありません。最初の年は、規律上の出来事が増え、自己申告のウェルビーイングは下がります。研究者は適応期間だと見ています。そのあと、出来事はほぼ元の水準に戻り、ウェルビーイングは少しよくなります。
成績は、平均するとほとんど動きません。高校では数学がわずかにプラス、中学校ではわずかにマイナス。どちらも差は小さいです。出席、授業中の注意、サイバーいじめの感じ方にも、ほとんど変化はありません。
スマホを禁じても、平均点はそれだけでは上がりません。
別の研究は、別のことを言います。ノルウェーでは、2024年の研究で、女子の成績が上がり、とくに経済的にゆとりの少ない層で顕著でした。女子の心理的な症状での受診が減り、女子も男子もいじめが減った、とも記しています。
必ずしも矛盾ではありません。国、年齢、期間、ルールの運用は大きく違います。総じて、学校での使用は減ります。成績、注意、気分は、文脈次第です。
学校では40分減る。1日では減らない
2025年の英国の研究は、限界を見る助けになります。12〜15歳の生徒1227人、30校、うち20校はより厳しい方針です。
そうした学校では、授業時間中のスマホが約40分少なく、SNSは約30分少なかったです。
1日全体では、ゆるい学校との差はほとんどありません。どちらのグループも、1日4〜6時間前後でした。不安、うつ、睡眠、身体活動、英語と数学の成績にも、はっきりした差はありません。
観察研究です。授業で得た1分が、夜に必ず取りもどされる、とは証明しません。示しているのは主に、ルールは時間割を守れても、1日の使用は減らさない、ということです。
だから無意味だ、という話ではありません。授業からスマホを遠ざける、気を散らす場面を減らす、ほかの人の居場所を増やす。ただ、バス、ソファ、部屋には届きません。
機器は取り上げます。手を伸ばした理由には触れません。
大人には、同じルールがない
学校では、生徒に枠があります。家では、親のスマホをポーチに入れる人はいません。
2026年7月の英国の調査(Virgin Media O2)では、未成年の子を持つ親は、1日平均2時間6分、あまり意図せずスマホを使っていると推計しています。無意識の動作、「ちょっと見るだけ」で開いた通知、長く続きすぎるスクロールです。
8〜16歳の子どもの56%は、親のスマホのせいで大事な瞬間を逃していると言います。ほぼ3分の2は、親は自分の使用時間に気づいていないと思っています。
臨床研究ではありません。申告に依る部分もあります。思い出させるのは、反射は思春期で終わらない、ということです。
動作は平凡です。子どもが話し、何かを見せ、大人が画面を少し長く見すぎる。繰り返すと、やり取りの質が変わり得ます。
2025年、JAMA Pediatrics のメタ分析は、21件、1万4900人をまとめました。5歳未満の子どもの前で親が端末を使うことと、認知、行動、愛着、子どものスクリーンタイムの悪い結果が関連していました。効果は小さいです。原因だとは言えません。ただ、その関連は、真剣に取るには十分な頻度で現れます。
スマホは、仕事にも、連絡を取るためにも、息を抜くためにも使います。問題になるのは、生きたかった時間を切ったときだけです。
ルールが守るのは時間であって、習慣ではない
学校でスマホを禁じることと、自分の習慣を見ることとは、同じ問題ではありません。
学校のルールは空間を守ります。気が散りにくい、撮影や投稿の機会が減る、すぐ手に取れない時間が数時間ある。そこで終わります。
そのあと何かが続くには、勝手に動き出す前に、その動作に気づくことも必要です。
「やってはいけない」は、下校と同時に終わります。
「いま、なぜこれを開いているのか」は、どこでも聞けます。
新しい禁止リストは要りません。家族みんなで共有する、はっきりしたルールがいくつかあれば、たいてい足ります。
- 食事中はスマホなし。 子どもだけでなく、全員です。
- 寝室の外で充電する。 夜と朝の、無意識の起動が減ります。
- 画面のない時間、または部屋を決める。 曖昧な指示より、具体的な場所や時間帯の方が続きます。
- 開く前に、短い間。 とくに、考えずに開きがちなアプリです。
目的は、スマホを使わないことではありません。自分で選んで手に取ったときと、気づかないまま開いたときを、見分けられるようにすることです。
よくある質問
2026年、フランスの高校ではスマホは禁止ですか?
はい。2026-2027年度から、フランスのリセでは使用が禁止されています。詳細、例外、処分は各校の内規で決まります。
スマホ禁止は成績を上げますか?
一律ではありません。特定の集団で改善を見る研究もあります。いちばん規模の大きい研究では、成績への平均効果はほぼゼロです。
学校での禁止は、1日のスクリーンタイムを減らしますか?
授業のある時間の使用は減ります。1日全体では、いまある研究は明確で一貫した減少を示していません。
禁止と「Portable en pause」の違いは何ですか?
禁止は使用についてです。電源を切ってかばんに入れておけます。「Portable en pause」はさらに進みます。1日のあいだ、ロッカーや共用の箱、ポーチに預けます。
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